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技術研究本部・P−X/C−X、2機種同時ロールアウト  その2
Technical Research & Development Institute
P-X And C-X Rolled Out on Same Time ACT-2
石渡空将
技術開発官(航空機担当)石渡 空将    

 式典当日一般の招待者は川崎重工業岐阜工場中工場正門で、報道関係者は同北工場において式典の受付が行われ、 報道関係者に対しては、事前に機体の開発状況及び機体概要等について前日に着任直後の技術研究本部技術開発官(航空機担 当)石渡空将による挨拶に続き、KHI航空宇宙カンパニー・チーフデザイナーの久保氏による開発開始より5年を経過して 本日に至った経緯が、開発室長 泉頭技官により機体の概要説明が行われた。

詳細解説はページ最後にあります。

取材協力・(株)日本航空新聞社

テープカット
関係者18名によるテープカットは、幻想的な雰囲気の中で実施された。
2機出陣準備
ロールアウトに向けトーイングトラクターが両機に準備される。
P-X:5501/TRDI
P-X_1
”P-Xロールアウト”の発声で動き出すP-X
P-X_2
最初の洗礼は大粒の雨であった
P-X_3 P-X_4
従業員の見守る中、駐機場を1周するP-X
P-X_5
所定の位置に駐機したP-X
見学者
ロールアウトを見守る多数のKHI従業員
C-X:88-1201/TRDI
C-X_1
続いて”C-Xロールアウト”の発声で動き出すC-X
C-X_2
一向に雨脚は衰えない
C-X_3
精悍な外観を持つC-X
C-X_4
大型のエンジンナセルが特徴的なC-X
C-X_5
ロールアウトが終了した直後、雨は小降りとなった
体制図 別図
C-X&P-X

 本プロジェクトの開発コンセプは、各自衛隊のミッションに適合した航空機の開発であり、同時に両機の共同開発によるコ ストダウンは、現時点において約250億円程度軽減されたと試算される。   この共有化の割合は、搭載システムの約75%、 構造重量においてはP-Xで約25%、C-Xで約15%程度となっている。
 機体別に解説すれば、次期固定翼哨戒機P-Xは、現用P-3C哨戒機の後継機として、2010年代以降、わが国周辺海域における 常続的な広域の警戒監視や哨戒に使用する目的で開発され、C-Xとの機体構造及び搭載システムの一部共用化によりライフサ イクル・コストの低減を図っている。
 また、新技術の適用としてP-Xは主に現用のP-3Cに対し、大幅な搭載機器類の更新が行われた。   まず同機のレーダー であるが、P-3Cは従来形式のAPS-137Jに対しP-Xは探知識別能力を向上させた新型のフェーズドアレイレーダーシステムを搭 載、戦術システムにおいては、P-3Cはパッシブ戦術中心の音響システムを使用していたが、P-Xでは従来のパッシブ戦術に加 え、アクティブ戦術を導入した探知識別能力を向上した音響システムが搭載され、哨戒機の中枢となるセントラルコンピュー ターは高速で自動化した情報処理機能(人工知能)により戦術処理が行える戦闘指揮システムが搭載される。
 機体のハードウェア面では、P-3Cはターボプロップ(T56)エンジンによる機力操縦システムであるが、P-Xでは高速化を可 能とする国産の低燃費ターボファンエンジン(XF7-10)を搭載し、耐電磁干渉性に優れたフライバイライト(FBL: Fly By Ligh t)操縦システムを採用している。
主要緒元はその1に記載のとおりである。
 P-3CとP-Xとの能力性能比較は、P-3Cにおいては戦術士(TACCO)による判断であったものをP-Xでは戦闘指揮システムとして ベテラン戦術士のアシスタントを行うソフトウェアを導入し、戦術判断能力の向上を図った点が、最大の能力差となっている。



 C-Xは、現用C-1輸送機等の後継機として、2010年代以降、有事のほか、国際平和協力業務、国際緊急援助活動等の国外運用 を含む航空輸送任務に使用する目的で開発され、P-X同様機体構造及び搭載システムの一部共用化によりライフサイクル・コ ストの低減を図っている。
 C-Xの新技術の適用は、現用C-1輸送機の最大搭載量約8tを一気に約30tに引き上げた点にある。   この機体の大型化に 伴い、コックピットでは戦術飛行・航法に必要な航法の自動化、山岳地等での低高度飛行を可能とする戦術飛行管理システム を導入し、操縦装置は、P-XのFBLに対しフライバイワイヤー(FBW:Fly By Wire)を採用した。    貨物室では貨物等の管理・操作装置をロードマスター・ステーションに集中し、器材の床面下収納等を図った省力化搭載しゃ 下システムを採用導入した。
 C-1及び現用C-130HとC-Xの能力比較の最大の部分は、搭載量とその行動半径となる。   日本を拠点とし、国際平和協力 業務の空輸を想定した場合、C-1ではペイロード2.6tで航続距離約1700km、C-130Hでペイロード5tで航続距離約4000kmである が、C-Xの場合ペイロード12tで航続距離約6500kmを想定している。
 機体の共有化は冒頭でも記したが、共有化部分は機体構造では主翼外翼部、水平尾翼、コックピットのキャノピーが共有化 されており、搭載システムの例として補助動力装置(APU)、衝突防止灯、脚揚降システムコントロール・ユニット、慣性基準 装置、飛行制御計算機、総合表示器(ディスプレイ)等が挙げられている。
機体の開発概要は、その1でも一部紹介したが、開発体制は別図のとおりである。
 一連の機体概要説明後、両機種の取得について経理装備局航空機課 青木課長は記者団の当初調達予定機数P-X/80機、C-X/ 40機の質問に対し、中期防衛力整備計画における調達は、現在P-Xについては4機、C-Xについては8機を予定していると語り、 最終装備機数は未定であると述べた。
また、4省庁による同機の民間転用については、防衛省はデータの提供を実施するとともに、同機の開発は国家予算で行われ ているため、民間転用時においては企業に対し応分の開発経費負担を求めるとしている。

 神事の後に行われたテープカット、ロールアウトは、スポットライトとスモークの幻想的な雰囲気のなかで実施され、格納 庫内で神事が行われていた時間帯には我慢していた雨雲も、格納庫の扉を開くと同時に大粒の雫を落し始めた。
 川崎重工業従業員多数が見守る中、大型のトーイングトラクターに牽引されP-Xが最初に大粒の雨を突いてロールアウト、 続いてC-Xがロールアウトし両機は駐機場に並んで式典は終了した。

 今後は、両機ともに川崎重工岐阜工場で地上試験を行ったのち、今年9月頃に社内初飛行を予定している。その後、引き続 き社内飛行試験を実施し、C−Xは平成20年3月末、P−Xは同8月に防衛省へ納入する予定となっている。

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