猛禽類が頻繁に出没する地域でのレース必勝法

NO1

ニュー三陸連合会 道下千尋

昨今どこの地域でも猛禽類による鳩の被害が増えています。

馴致の段階で猛禽類に襲われると集団失踪などの可能性もあり、
レースを楽しむ我々にとっては頭の痛い問題です。

巣立ちさせてから舎外をするまで・・・・

通常、生後35〜45日前後より馴致をさせる鳩舎が多いようですが、
この頃の鳩だと猛禽類もさることながら、カラスによる被害も多くあるようです。
カラスも一度、鳩の味を覚えると、何度も鳩舎にやってきては、
飛び方の下手な幼い鳩を襲いますから注意が必要です。

では、カラスによる被害もなく、馴致の段階で、
猛禽類に襲われても逃げ切れる可能性のある鳩の成長段階はいつか?という事になります。

主翼の一枚目が落ちて、一枚目が伸びきる前の主翼二枚目が落ちる頃、
(巣立ち25日でさせてから約一ヶ月半)

または、主翼一枚目が落ちて雛の主翼十枚目が伸びきった頃

この時期を猛禽類が頻繁に出没する地域での馴致に最適な時期と位置づけます。
この頃まで鳩を馴致させないと、飼育者は鳩が慣れないのでは?
いきなり飛び立って帰ってこないのでは?という不安がありますが、その心配ありません。

この頃まで舎外をしていない若鳩は主翼もすっかり伸びきり、
周りの景色もしっかり頭に入っています。カラスによる被害は絶対にありません。

また、馴致の段階で猛禽が襲ってきたとしても結構逃げ切る事ができるのがこの時期です。

集団から離れて飛び、上空から下降する時に鳩は猛禽類の餌食となる場合が多く、
オオタカ等は杉山の中まで入っていき、鳩を捕まえて、その場で食べます。

仮に、この馴致法で、一羽の鳩が餌食となったとしても、集団失踪少ないのが、
主翼の一枚目が落ちて、一枚目が伸びきる
前の主翼二枚目が落ちる頃、
(巣立ち25日でさせてから約一ヶ月半)です。

 

順調に馴致を行い、集団で鳩が飛び出すようになる頃から、忌々しい猛禽が襲撃してくるようになります。
若鳩も必死で羽ばたき、猛禽からの襲撃をかわそうと上空高く飛び始めるのもこの時期です。
普通
(猛禽が出没しない地域)であれば、この頃は20分から40分間鳩なりで飛んでくれれば良い時期です。

(一番仔5月中旬、二番仔6月中旬、三番仔7月中旬が舎外する目安時期)

猛禽類が頻繁に出没する地域で、この時になりふりかまわず舎外をすると、
主翼の換羽が途中で止まり、宮杯レースまでに10枚目が伸びきっていないという憂き目に遭います。


この状態(10枚目換羽が終了していない)になると最終レースでは勝てなくなります。
ここ数年のデータを見てみると主翼10枚目が伸びきっている鳩の活躍が目立っていますから、
猛禽類に襲われる場所での舎外時のポイントは、
休養重視で餌の内容と量を考えながらの鳩管理です。

休養重視とは?

猛禽類に追われて2時間飛んでしまった場合には、二日間休養させる。
4時間飛んでしまったなら四日間休養させるといった具合です。

仮に猛禽類に追われて3時間飛んでしまったとしたなら必死に飛ぶわけですから、
レース時に飛翔するエネルギーと同等の体力消耗を考えてやらなければならないようです。


分速1000Mで3時間飛翔すると180分飛ぶことになりますから、

約180Kを飛んだレースと同等の体力消耗を考えてやります。
通常だと二日間の休養を与えますが、更に一日休ませてあげるのが良いようです。

それは何故かというと、猛禽類に追われた若鳩の中には、当日帰らずに翌日の朝や、
夕方に帰還する鳩がいるからです。

ここで、二日間ではなく、更に一日休ませることによって、
翌日朝や、夕方に帰還した鳩もしっかりと餌を食べる事ができ、
体力の回復を図ってやる事ができるからです。

餌の量、内容は、配合飼料100%の鳩舎や、トウモロコシ5割、配合5割の鳩舎など、
個々の鳩舎でそれぞれ違いがあると思います。

しかし、猛禽類が頻繁に出没する地域では小粒飼料を欠かしてはいけないようです。

小粒飼料を与える量は全体の2割程度が良いようです。

例えば、トウモロコシ5割、配合3割、小粒2割といった具合です。
与える量は鳩舎の若鳩羽数×17g〜20gが目安です。小粒飼料を2割以上与えてしまうと、
若鳩での発情が強くなりすぎるようです。

鳩の状態を見ながら、餌を余すことなく食べきる量を与えてください。


         猛禽類が頻繁に出没する地域での強制舎外

梅雨明けから強制舎外を開始する鳩舎が多いと思うのですが、

猛禽類が頻繁に出没する地域では、
強制舎外は猛禽類が出没しない場所とはやり方が微妙に違いますので、
テクニックが
必要となってきます。

そもそも、強制舎外とは何故に行うか?ですが・・・・・・

狙ったレースに参加させる鳩を飼育者が自由にコントロールし、
餌を喰いこませ状態を上げて参加させるのに必要なのが、ひとつと、
若鳩時に500Kレース程度まで飛翔する事のできる体力をつけさせる為に行うのが、強制舎外です。


猛禽類が頻繁に出没する地域でも同様に、狙ったレース前に鳩が飛んでくれなければ、
餌を喰い込ませる事はできなくなってしまいます。
よって、強制舎外は猛禽類に襲われながらも若鳩に調教しなければならない重要な事のひとつとなります。

その方法とは?

1、        鳩を舎外したならば、入舎口は閉めてしまいます。

2、        最初の一週間は鳩が鳩舎に降りてこようとしたならば、
   釣竿の先に括り付けた黒いゴミ袋や、鳥除けの風船等を軽く
一回振ります。
   すると初めて見たゴミ袋や風船に驚いて鳩は、再び羽ばたきを強くし、飛び続けます。
   一週間を過ぎた頃からは鳩舎の脇に旗を立てているだけで、一時間は飛ぶようになります。

猛禽類が出没しない地域では約一ヶ月かけて
(飛翔時間50時間が目安)若鳩の体力をつけてやりますが、
猛禽類が頻繁に出没する地域では、
一ヶ月間も猛禽に襲われながら飛ばしこんだなら若鳩は換羽も進まず、
訓練時頃はもちろん、レースでもバタバタと落ち始めてしまいます。

ではどのようにすれば良いのか?・・・・

ここで、先述した事項が重要になってきます。

休養重視で餌の内容と量を考えながらの鳩管理。(4〜5ページを参考)

猛禽類が頻繁に出没する地域では、
飼育者の予定通りに1時間鳩を飛ばそうと思っても思うようにいかない事の方が多く、
本当に管理者泣かせです。

個人訓練も徐々に行い、8月末頃より連合会訓練が始まると思うのですが、
一週間のインターバルの間の舎外中に猛禽類に襲われた場合にも、
休養重視で餌の内容と量を考えながらの鳩管理。は続けていきます。



秋季レースは100K〜500Kまで

猛禽類が頻繁に出没する地域では、
鳩の状態が狙ったレース前に上がりきってしまう場合があるので注意が必要です。


例えば、最終宮杯レースを狙ったとすると、
300Kレース持ちより二日前までは、鳩なり舎外で飛ばすのが普通ですが、
100Kレース、200Kレース、300Kレースのインターバルの間に
猛禽に襲われながら毎日舎外を続けていたならば、
完全に状態は上がりすぎ、宮杯レースでは勝てません。

100Kレース、200Kレース、300Kレースまでは上位入賞するものの、
その後のレースではサッパリ勝てないというパターンです。

仮に、100Kレースが終了し一日休養させて、二日目から舎外を始めた時に、
本来ならば30分〜40分鳩なりで飛んでくれれば良いのに、
猛禽類に襲われ2時間飛んでしまったなら、一日休ませた四日目に舎外をします。
再び襲われたなら、一日休ませて持ち寄り当日の朝、舎外をし参加させます。

しかし、持ち寄り日に追われてしまうと放鳩籠に詰める時に
帰還しない鳩も出てきますから持ちより日の舎外は避け
微調整を行って参加させてください。

猛禽類の出没が比較的ない地域での管理法
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 持ち寄り当日
舎 外 休養舎外休み 鳩なり20〜30分
軽めの舎外
鳩なり20〜30分
軽めの舎外
鳩なり20〜30分
軽めの舎外
鳩なり20〜30分
軽めの舎外
鳩なり20〜30分
軽めの舎外

餌の量

羽数×17gの8割の量を
朝・夕2回
与える

羽数×17gの9割の量を
朝・夕2回
与える
羽数×17gの量を
朝・夕2回与える
羽数×18gの量
朝・夕2回
与える
羽数×19gの量
朝・夕2回
与える
朝の餌・・・羽数×17gの5割
お昼の餌・・羽数×17gの8割の量を
与えてから持ち寄る。
餌の内容 大麦4割、配合4割
ダイエットミックス2割
大麦4割、配合4割
ダイエットミックス2割
大麦2割、配合6割
トウモロコシ2割
配合8割
トウモロコシ2割
配合8割
トウモロコシ
2割
配合8割
トウモロコシ
2割
水浴 水浴をさせる
舎外の時間は各鳩舎で微妙に違うと思いますが、あくまで鳩なりで飛ばした場合の舎外時間です。
猛禽類が頻繁に出没する地域での管理法は
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 持ち寄り当日
舎 外 休養舎外休み 鳩なり20〜30分
軽めの舎外の予定が
猛禽の襲撃により
2時間飛んでしまったなら
舎外お休み 舎外お休み 鳩なり20〜30分
軽めの舎外の予定が
猛禽の襲撃により
2時間飛んでしまったなら
舎外お休みさせて持ち寄る
餌の量 羽数×17gの7割の量を
夕方与える
数×17gの9割の量を
朝・夕2回
与える
羽数×17gの量を
朝・夕2回与える
羽数×18gの量
朝・夕2回
与える
羽数×19gの量
朝・夕2回
与える
朝の餌・・・羽数×17gの5割
お昼の餌・・羽数×17gの8割の量を
与えてから持ち寄る。
餌の内容 大麦4割、配合4割
ダイエットミックス2割
麦4割、配合4割
ダイエットミックス2割
大麦2割、配合6割
ダイエットミックス2割
配合8割
ダイエットミックス2割
配合8割
ダイエットミックス2割
配合8割
ダイエットミックス2割
水浴 水浴をさせる
猛禽に追われてから舎外をする日の決定は鳩の様子を見極めて決定するのが良いので、鳩の状態を注意深く観察してください。
持ち寄り日に追われてしまうと放鳩籠に詰める時に帰還しない鳩も出てきますから持ちより日の舎外は避けた方が良いようです。

地域によって、猛禽が出没する頻度が違い、微妙に管理も違ってくるとは思いますが、基本は、休養重視で餌の内容と量を考えながらの鳩管理。

これに尽きるようです。

私も、まだ試行錯誤しながらの段階なので、更に新しい成果があった場合には機会を見てお知らせしたいと思います。



猛禽類に襲われない鳩の血統と鳩体は?あるか?


現段階のデータだけでは何とも言えない所がありますが、
血統も鳩体も文句ない鳩であり、レース成績が良い鳩であっても
運が悪ければ関係なく襲撃を受けて猛禽の餌食となる事は間違いないようです。

鳩体が小ぶりであればとか、肩にかけてのアームが短ければ捕られづらいとか、
よく言われますが、それさえも現段階のデータだけで判断する時に、私は関係ないと思っています。

すべては個々の鳩の運だと思えてなりません。