愛 染 明 王

(御門)


かがり火をたいた縁日がにぎわった、あいぜん様

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 御門の中心に尚宝院というお寺があり、その東側の小高い丘の上に愛染堂が建っていました。その御本尊は愛染明王様で、人間が持っている愛欲の心を間違いのないよう教えてくださる明王様です。あいぜん様と呼んでいます。
 からだは朱色(赤)、目は太陽のような朱色で、火の燃える炎を背中に背負い、髪の毛は逆立ち、その上に獅子の冠をのせています。目は3つあり、2つの目の問にもう1つたてについています。手は6本で、悪魔を近寄らせないよう弓と矢を握っています。
 終戦後までは、今のように楽しみもなくあいぜん様の縁日をみんな楽しみにしていました。毎年7月25日には必ず夜店と芝居小屋が出て、芸人を呼び、花火を打ち上げ、お年寄りや子供たちはざぶとんを持ち、リヤカーに乗って集まり、大にぎわいでした。この夜は、必ずかがり火をたき、行者さんがきて火渡りをしました。その火にあたると病気が治るといわれ、家で寝ている病人のために半紙をあぶり、家に持ち帰って病人の悪いところにあてて治るようにお願いしたものです。
 その後、尚宝院もなくなり、愛染堂を応声教院の境内に移しました。今でも毎年7月25日にはかがり火をたいています。縁談を望む人や染物屋の人をはじめ多くの方がお参りをされます。夫婦円満、家内安全、身体健康を願って、手に手にまきを持ってお参りに来ます。
 お堂は朱塗りで瓦ぶき、屋根にはしゃちがのっています。町内でも古く珍しい建物で、文化財申請の話もでています。