田の中のお地蔵様

(森)


田んぼからふるさとを見ています。



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 なぜこんなところにお地蔵様が? 誰もふしぎに思う場所にお地蔵様が立っています。なにせ田んぼの中ですから。お地蔵様は、かわらぶきの立派なお堂から、四季のうつりかわりと豊かな実りを、そして道行く人たちの安全と子どもたちの成長を願い、祈っています。
 お地蔵様がここへ登場したのは、そう古い話ではありません。森地区の堀川定雄さんのおじいさんが田んぼを広げようと田の中のじゃり山をくずした時、大きなヘビが飛び出してきたそうです。その夜、突然、そのおじいさんではなく、その子ども、つまり定雄さんのお父さんに当たる国晴さんが原因不明の高熱にうなされました。手をつけようもなく困っていた堀川家に、物見師(うらないをする人)が、「お地蔵様をじゃり山にまつりなさい。」と告げたそうです。物見師の言葉どおりにしてみると、国晴さんの熱が下がったそうです。それから、じゃり山からお地蔵様が森の里を見わたすようになったと言うことです。
 その後、定雄さんの代になり、耕作のじゃまになるため、お地蔵様を道のそばに移したそうです。おはらいを済ませてのお地蔵様のひっこしでした。かわらぶきの新居に移ったお地蔵様は、怒ることもなく、ニコニコと遠く近くに、森の里を見守ってくれています。 似たようなお話で、馬頭観音だという説も聞きましたが、馬の供養塚ではないと定雄さんは話しています。

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