片 葉 の 葦

(杉森)


片葉の葦は仏の力? それとも風の力?



100-073.jpg

 応声教院の南側に葦がたくさん生えています。葦はふつう水のほとりに生える草で、葉がかたく、くきも強く、1メートルものびます。
 葦の葉はふつう四方に伸びますが、ここに生えている葦は片方からだけ葉が出ているので「片葉の葦」と呼ばれています。たいへん不思議なことなので遠州の七不思議のひとつに数えられています。片葉の葦についてはこんな言い伝えがあります。
 むかしむかしのことです。えらいおぼうさんが応声教院を訪れました。松の木のほとりにある池の水で手を清めようとして、着ていた袈裟(おぼうさんが肩にかけてかざるもの)がぬれないように、そっと松の枝にかけました。その時、袈裟が岸辺の葦にふれました。それから、その葦の葉は袈裟がふれた方は葉が出なくなり、片方だけに葉が出た葦になってしまったということです。袈裟をかけた松は「袈裟がけの松」と言われましたが、現在は、かれてありません。
 また、別の話として、そのえらいぼうさんが連れていた馬が、葦の葉を食べてしまったので、それからは伸びなくなったという言い伝えもあります。
 片葉の葦は、今でも、浜名湖のほとりや海岸などで見かけることがあります。このような所は大変、風が強いところなので、片葉の葦と何か関係があるかもしれませんね。
100-072.jpg