大 橋  守

(稲荷部)


1400年以上前に伝わった琵琶(びわ)を後世に残す人



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 日本の琵琶のルーツは、インドやペルシャにあるといわれ、それが中国に渡り日本に入ってきました。
 大橋さんは新潟で生まれました。お兄さんは津軽三味線をひいていて、何か自分も一つやりたいと思っていました。16才の時、テレビで琵琶を見てそのすばらしさにふれ、とても印象に残ったそうです。静岡には18才の時に就職で来ました。
 新聞で静岡市の中村先生を知り、けいこを受けました。その後、新しく買った琵琶の音色が気に入らず、自分で琵琶を作ろうと思い立ちました。しかし簡単には作れず、1面を作るのに4か月ぐらいかかりました。ようやく満足のいく琵琶ができあがったのは、3年後の9作目でした。その後、自分で作った琵琶がニューヨーク市で行われた「日本の祭典」で、多くの外国人や日本人に感動を与えました。琵琶の音色、姿、形も美しい大橋さんの琵琶は、高い評価を受けてメトロポリタンの美術館に納められることになりました。大橋さんは、琵琶の演奏者であり、日本でも数少ない琵琶の制作者として、日本中に紹介されるようになりました。大橋さんの一番好きな薩摩琵琶は、武士が使っていた琵琶です。戦乱の時代の様子を、歌と琵琶で勇ましく表現します。時には人の悲しみやさびしさを語りかけるような琵琶の音色は、一度聞くと忘れられません。
 大橋さんは、自分に受け継がれた琵琶の心を、これからの人たちに正しく伝えていきたいとがんばっています。昔の文化を次の時代に伝えるのは、とても難しいことです。それを自分の一生の仕事として、本物の琵琶をつくり、すばらしい演奏家としてがんばることでしょう。