井 指 の ぶ

(政所)


「私よりこの子を先に‥・」の言葉を残し高波にのまれる。



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 昭和26年(1951年)8月12日、井指のぶ先生(当時20才)は、教え子のたのみにこたえ、生徒11人と先生2人で大東町千浜の海岸へ海水浴にいきました。
 砂浜で波にたわむれ、砂遊びをし、時のたつのも忘れてとても楽しい時を過ごしていました。一瞬、その楽しさが止まってしまいました。「○○子さんがおぼれている!」と突然の大声。2人の先生は高波に飛び込みました。井指先生は、50m、60m、100mと抜き手を切って、沖に流れて行く子を追い、生徒をだき上げました。「がんばって、がんばって!!」と励ましながら高波と戦い、一進一退......力つきておぼれかけました。助けにきた青年に「私より、この子を先に......」と生徒をたくしました。この言葉が最後に先生は帰らぬ人になってしまいました。海は20才のすばらしい先生の命をうばってしまったのです。
 井指のぶ先生は、昭和5年(1926年)11月11日菊川町耳川に生まれました。とても努力家で、心身ともに優れ、学級のリーダーとして活躍しました。その上、運動能力もクラスーだったそうです。「すばらしい先生になりたい」という夢をかなえるため、大学に進みました。大学時代も級友から信頼され、何事にも積極的に取り組み、自分を伸ばそうと努力しました。卒業後、菊水北中学校(今の菊川西中)の先生になりました。いつも生徒を大切にし、明るく活発な先生は,生徒から大好きな先生と親しまれ尊敬されました。井指先生白身、教師としての夢がいっぱいあったと思います。夢いっぱいの生活は、たった4か月で終わってしまいました。先生は、教え子に夢をたくしたのでしょう。助けられた女生徒は、その後学校の先生になられ、井指先生の分まで活躍されました。菊川西中学校に井指先生の石碑が建てられています。

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