織 本 う め ゐ

(政所)


医療が進まない時代に40年間を助産婦にささげた人



100-131.jpg

 お母さんのおなかの中に赤ちゃんができ、10か月にわたって、大きくなっていく過程はとても神秘的なものです。すばらしい生命力によるものです。そして,お母さんのおなかからこの世界に出てくるのが、赤ちゃんの誕生です。大きな声をあげて生まれてくるそのときは、とても大切な瞬間です。
 今は、病院で赤ちゃんを産むのがあたりまえですが,昔は,助産婦さんが家にきて、赤ちゃんが無事に生まれるよう助けてくれたのです。窓がこおるような寒い夜でも、すぐかけつけて働く助産婦の責任はたいへん大きかったのです。他の仕事には見られない緊張と苦労の連続です。でもお誕生を喜ぶ両親や家族の姿を見れば、それまでの苦労も消え去ったのではないでしょうか。
 うめゐさんは、政所に生まれ、若い時から温厚で誠実な人でした。家の仕事を手伝う一方で、保健婦と産科医を兼ねた重要な仕事にあたり、40年間を助産婦の仕事にささげてきました。そして、たくさんの優秀な人々を誕生させてくれました。この功績により、昭和43年(1968年)、菊川町から保健振興の功労者として表彰されました。
 うめゐさんは、その後も高齢でありながら、後継者の育成に努め、その指導と手助けにあたりました。
 今の時代は、母子ともに健康で生まれることは当たり前のように感じますが、医療が進まなかった時代には、出産は命がけのことでした。助産婦はとても大切な仕事であり、何人もの人命を救ったことと同じことではないでしょうか。